5月25日 アートインフォメーション 上原美術館
現在、上原美術館では5月30日から始まる展覧会に向けて作業中です。
仏教館では『出逢い―上原美術館の収集と調査』、
近代館では『再会-またであう、コレクション』を開催します。

今回は展示替え中のため、展示の裏側についてご紹介します。
展示替え休館中は作品の撤収や展示以外にも、普段できない工事なども実施します。
学芸員にとっては、いろいろと忙しくなる時期といえそうです。
実は上原美術館は、今年の9月1日から来年の11月2日まで
空調更新などの工事のため1年2ヶ月ほど休館します。
当館は開館して26年が経ちますので、設備を更新する必要があります。
そのほかにも収蔵庫の新設、屋外の雨水排水の工事、
近代館と仏教館を繋ぐスロープの設置なども実施いたします。
今回の展覧会は休館前の最後の展示のため、リニューアル後の展示再開を目指して
近代館は、『再会-またであう、コレクション』という内容にしました。
その中で今回紹介するのは、ルドンの『ダンテとベアトリーチェ』という作品です。

この作品は中世の叙事詩『神曲』がモデルになっています。
『神曲』はダンテというイタリア人が自分自身を主人公に書いています。
地獄に迷い込んだダンテが、煉獄を経て天国の入り口に差し掛かった時、
天国を案内する女性が現れるのですが、
その女性はダンテが恋焦がれていたベアトリーチェで、
20代で亡くなっていました。
この物語の中で再会を果たしたということで、
ルドンの作品はその様子を描いています。
この作品を展示するにあたり、再会のイメージを「円」として思い描き、
大きな白い円柱の中に浮かび上がるようにできないかと
展示の模型を作って、それをもとに手書きで図面を書きました。
大工さんにはその両方を提示して作成を依頼しています。



このほか、5月30日からの展覧会開幕にむけて
美術品専門チームによる展示作業、照明業者による照明作業、
学芸員によるキャプションや切り文字の作成など、準備を進めているところです。
長期休館前の展覧会となりますが、
近代館では、ルドンやルソー、ピカソなどが描き出す『再会』の物語を
お楽しみいただくとともに、仏教館では『出逢い』をテーマに、
上原美術館が所蔵する全ての仏像をご紹介します。
8月31日まで無休ですので、ぜひご来館ください。
美術館基本情報
上原美術館 下田市宇土金341 電話:0558-28-1228
●展示:近代館「再会-またであう、コレクション」
●会期:2026年5月30日(土)~2026年8月31日(月) 会期中無休
●開館時間:9時30分~16時30分(入館は16時まで)
●入館料:大人1000円、学生500円、高校生以下は入館無料
●近代館に隣接する仏教館では「出逢い―上原美術館の調査と研究」を同時開催。