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2025.11.24

11月24日 アートインフォメーション 上原美術館

上原美術館ではこの秋、仏教館で特別展「伊豆のみほとけ」、
近代館では企画展「印象派を楽しむ」を開催しています。
本日は近代館の企画展について紹介します。

本日は印象派のなかでもルノワールを中心にしたご紹介ですが、
最初に、印象派が生まれる少し前の作品も紹介させていただきます。

カミーユ・コロー≪サント=カトリーヌ=レ=ザラスの洗濯場≫1871年

これは、モネやルノワールがあこがれた画家、カミーユ・コローの作品です。
普通の風景を描いたものですが、それまで風景画といえば、神話や宗教の一場面でしたから
その当時にしてみれば新しい感性でした。
そしてモネやルノワールはその感性に影響を受けました。
特にコローの下描きやスケッチによって、モネやルノワールの描き方は
変わっていったようです。(何故なのかは放送で紹介)

ピエール=オーギュスト・ルノワール≪アルジャントゥイユの橋≫1873年

ルノワール≪アルジャントゥイユの橋≫をよく見ていただけば、
塗り方の違いがよくわかるのでないでしょうか。
当時の人たちはこうした絵が展覧会に出されることに驚き、戸惑ったそうです。

参考写真:普仏戦争で破壊されたアルジャントゥイユの鉄道橋、1870-71年頃


実は、1870年に勃発したフランスとプロシアとの普仏戦争で
≪アルジャントゥイユの橋≫はこの戦争で破壊されました。
ルノワールの作品は、そのおよそ1年半後に描かれ、戦後に世の中の価値観が大きく変わり、
新しい時代がやってくる、そうした中で1873年にモネとルノワールによって
自然の中で自由に描かれたというわけです。

参考図版:クロード・モネ≪アルジャントゥイユの鉄道橋≫1873年頃 個人蔵

ルノワールは、どちらかといえば人物画を得意としていますが
この時期の数年間はたびたびモネの家を訪ねており、モネの影響でたくさん風景画を描いたようです。

そして、1874年には、ピサロやセザンヌ、シスレー、ドガなどの仲間とともに
グループ展を開きますが、古い絵に見慣れた当時の人々には、
「壁紙の方がよくできている」とか「印象にすぎない」とか言われ、
嘲笑的に「印象派」と呼ばれました。
そしてそこから印象派が生まれ、この展覧会はのちに「印象派展」と呼ばれることとなります。
ルノワールが描く≪アルジャントゥイユの橋≫は、
まさに印象派が産声を上げる瞬間をとらえるかのような作品なのです。

今回の展覧会では印象派とその時代の作品15点をご紹介しています。
伊豆の自然の中で、印象派の作品をご鑑賞いただいてはいかがでしょうか。
当館は1月12日まで、年末年始も大晦日や元旦も休まず開館しています。

美術館基本情報
 上原美術館 下田市宇土金341 電話:0558-28-1228
 ●展示:近代館「印象派を楽しむ 上原コレクションのちいさなまなざし」
 ●会期:開催中~2026年1月12日(月・祝)  会期中無休
 ●開館時間:9時30分~16時30分(入館は16時まで)
 ●入館料:大人1000円、学生500円、高校生以下は入館無料
 ●仏教館に隣接する仏教館では「伊豆のみほとけ」を同時開催します。

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