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2025.3.24

3月24日 アートインフォメーション 上原美術館

現在、上原美術館では近代館で「あわいひかり やわらかないろ」、
仏教館で「ちいさなものはみなうつくし」を開催しています。

今回は近代館の「あわいひかり やわらかないろ」で展示中の作品を紹介します。

まず最初はアルベール・マルケ≪冬のパリ(ポン・ヌフ)≫です。

冬のどんよりとした空はおそらく雪雲に覆われていて、積もった雪の照り返しが間接照明のように
パリの町全体を包むように描かれています。
画面中央にはセーヌ川が横切っていて、その上に架かっている橋が、ポン・ヌフです。
橋の上では車が行きかい、歩道には人が歩いています。
近くで見ると車は平筆で、人も一本の線で描かれているだけですが
離れて見るとあたかも動いているかのように見えてきます。

マルケは葛飾北斎に感銘を受け、一筆書きで人物を描く練習をし続けたそうです。
「たとえ点でも生命のない点を描かないこと」と度々語っています。

パリの雪景色が水墨画にも見えてくる魅力的な作品です。

次に紹介するのは、牛島憲之の夕月富士です。

山名湖から見た富士山ですが、富士山の上に弓なりの美しい月が見え、
空は夕暮れ時のあわいグラデーションの光に満ちています。
よく見ると小さな船が右の方に走っていて
あらためて人間の小ささや大自然の大きさに心打たれます。

作者の牛島は画風の大きな変化もなく、ゆっくりと自らの芸術を育んでいきました。
控えめな人で、多くの巨匠が描く富士山だけは描くまいと思っていたそうです。
しかし、富士山を見るたびにその美しさに感動し、
徐々に富士山の美しさが心に溜まり、85歳の時、それが満ちて
富士山を描こうと思い立ったそうです。
この夕月富士は87歳で描かれました。
牛島自身の豊かな人生がこの美しく雄大な風景画に反映されているようです。

開催期間の終了も迫ってまいりました。
ようやく春めいてきたこの時期、「ひかり」と「いろ」を味わいに
ご来館いただき、ご鑑賞されてはいかがでしょうか。

美術館基本情報
 上原美術館 下田市宇土金341 電話:0558-28-1228
 ●展示:「あわいひかり やわらかないろ」【近代館】
 ●会期:開催中~2025年4月13日(月・祝)  会期中無休
 ●開館時間:9時30分~16時30分(入館は16時まで)
 ●入館料:大人1000円、学生500円、高校生まで入館無料 *近代館・仏教館の共通券です。
 ●仏教館に隣接する仏教館では「ちいさきものはみなうつくし」を同時開催中です。

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