12月23日 アートインフォメーション 上原美術館
上原美術館は、近代館と仏教館という二つのギャラリーからなっていますが
現在は近代館で「ものがたりをよむ」、仏教館で「仏像でみる伊豆の平安時代」という展示を
開催しています。本日は仏教館の特別展から必見の仏像の紹介です。
今回の特別展では伊豆各地のお寺やお堂から貴重な仏像、秘仏をお借りしてきています。
秘仏というのは、いつもは公開されていない仏像で、
年に一度数年に一度、あるいは数十年に一度だけ拝むことができる仏像です。
最初に紹介するのは、下田市横川地区の太梅寺(たいばいじ)のご本尊、地蔵菩薩像です。
大きさは38.2㎝、立っているお地蔵様の像で、木を彫って作られています。
このお像は秘仏の中の秘仏、公開されることのない、決して見ることのできない絶対秘仏です。
絶対秘仏の有名な例では、長野の善光寺の御本尊や浅草の浅草寺のご本尊がありますが、
いずれも1400年くらいは扉があいたことがありません。
太梅寺のこのお像は、千年前に造られ、歴代住職以外は誰も見たことがありません。
そんなお像が今回特別に提示されているというわけです。
松崎町からは2組、7体の秘仏を展示しています。
1組目は、松崎町岩科地区、松尾不動堂(まとうふどうどう)のご本尊と
不動明王とそのおつきの二童子(にどうじ)の像です。
平安時代の終わりから鎌倉時代、今から900年くらい前のお像です。
このお像は60年に一度だけ公開される秘仏ですが、
管理されている地区の皆様の特別なご厚意でご出展いただきました。
もう1組は4体セットのお像です。
松崎町指川薬師堂(さしかわやくしどう)というところの
薬師如来像とそのおつきの3体、日光菩薩(にっこうぼさつ)、
月光菩薩(がっこうぼさつ)、毘沙門天像(びしゃもんてん)です。
このお像は平安時代の終わり、900年前のお像で、やはり60年に一度しか開帳されません。
実はこのお像、50年ほど前に御開帳があって、
ひどく痛んでいたこともあり、地元の大工さんが修理したのですが、
修理にペンキを使ってしまったので、このようなお姿なのです。
なかなか観ることができない秘仏を間近で観られるまたとない機会です。
ぜひご来館いただき、ご鑑賞ください。
美術館基本情報
上原美術館 下田市宇土金341 電話:0558-28-1228
●展示:「仏像でみる伊豆の平安時代」【仏教館】
●会期:開催中~2025年1月13日(月・祝) 会期中無休
●開館時間:9時30分~16時30分(入館は16時まで)
●入館料:大人1000円、学生500円、高校生まで入館無料 *近代館・仏教館の共通券です。
●仏教館に隣接する近代館では特別展「ものがたりをよむ」を同時開催中です。