9月23日 アートインフォメーション 上原美術館
上原美術館では10月5日から、近代館で「ものがたりをよむ」、
仏教館で「仏像でみる伊豆の平安時代」という展示を開催します。
今回はこのうち、仏教館で開催される特別展「仏像でみる伊豆の平安時代」を紹介します。
現在、NHKの大河ドラマの影響で、平安時代が注目されています。
平安時代といえば、有名な源氏物語や枕草子が書かれた時代で、
貴族の日記が残っていたりして、都のことは比較的わかっていますが
地方のことはほとんどわかっていません。
そこで、伊豆にたくさん残っている平安時代の仏像を通じて、
その時代の伊豆を感じていただいてはどうかという展示を企画しました。
すると、さまざまお声掛けをして集まったのが、思いがけず秘仏ばかりでした。
秘仏というのは、年に一度、あるいは数年、数十年に一度しか御開帳されない、
なかなか拝むことができない特別な仏像のことです。
十一面観音像(平安時代・10世紀、静岡県指定有形文化財)
善光庵河津町下峰区 善光庵
17年に一度開帳される秘仏。千年以上前の仏像で、
紫式部や清少納言が生きた時代に作られた。
頭上に小さな顔が10あり、あらゆる方角を見て漏らさず救う仏像。
カヤの一木造で等身大の迫力に満ちたお像。
両方の眉毛がつながった表情にも注目。
地蔵菩薩像(平安時代・12世紀?)
下田市横川地区 太梅寺
決して公開されない秘仏(絶対秘仏)。
今回が初公開で、檀家さんや持続の方も見たことがない。
台座や持物、光背、お顔、表面の金色は昭和の修理によるものだが、
900年前のお像。像高(身長)約40センチ。
如意輪観音像(平安時代・10世紀)
下田市北の沢地区 法雲寺
30年に一度開帳される厳重な秘仏。
千年以上前の仏像で、本来は女性だが、
江戸時代、馬頭観音という別の仏像と間違われ、
ひげが書き足されてしまった。
手にした如意宝珠(にょいほうじゅ)の力で、
どんな願いごともかなえるという仏。
この度の機会にぜひご来館いただき、
平安時代の伊豆を感じてみてください。
美術館基本情報
上原美術館 下田市宇土金341 電話:0558-28-1228
●展示:仏像でみる伊豆の平安時代【仏教館】
●会期:2024年10月5日(土)~2025年1月13日(月・祝) 会期中無休
●開館時間:9時30分~16時30分(入館は16時まで)
●入館料:大人1000円、高校生まで入館無料
●仏教館に隣接する近代館では企画展「ものがたりをよむ」を同時開催中です。