8月28日 アートインフォメーション 上原美術館
仏教館の企画展『きれいな仏像 愉快な江戸仏』をご紹介したいと思います。
仏教館では、企画展「きれいな仏像 愉快な江戸仏」を開催中です。この企画展は「きれい
な仏像」と「愉快な江戸仏」の二本立てなのですが、このうち、「愉快な江戸仏」では、伊豆
南部のお寺やお堂から、期間限定で、特別に仏像をお借りして展示しています。
会期は9月24日迄で、これが終わるとどのお像も元のお堂やお寺に帰ってしまいます。そのほとんどが普段は非公開なので、終わってしまったら二度と見れないかもしれない。そんな一期一会の展示です。
●栖足寺(せいそくじ)の稲荷神像(いなりしんぞう)
これは河津町の栖足寺に伝わるお稲荷様の像です。お稲荷様には女神とおじいさんの姿の二種類があるのですが、これはおじいさんの姿。手には稲の束が下がった棒を持っています。農業とか、商売繁盛…色々な願い事をかなえてくれる神様です。
よく見ると足もとに狐がいて、お稲荷様を見上げています。その見上げる顔が可愛いので、ご住職さまに特別にお願いして展示しています。
●長福寺の韋駄天像(いだてんぞう)
このお像は、河津町浜地区の長福寺に伝わる、韋駄天像です。韋駄天は足が速い神様で、お寺の建物のうち、ご住職が日頃生活する庫裏(くり)の入口に置かれます。足が速いので、泥棒を追いかけて取り押さえてくれるのです。
実はこのお像は、強運の仏像なのです。長福寺は大正6年(1917)、大火事で全てが焼けてしまったのですが、このお像だけが焼け残ったと言われています。
●慈眼院の疱瘡神
この像は河津町梨本の慈眼院に伝わる疱瘡神という神様です。もともとは天城山中にあった神社の御神体だったことが分かっています。
実は病気を移して回る疫病神なのです。
今開催中の上原美術館の企画展では、このように素朴だけど、個性的な仏像や神像を27体展示しています。是非そんな仏像に会いに来て欲しいと思います。
●会期:2023年9月24日(日)まで 会期中は無休です
●開館時間:9時30分~16時30分
●入館料:大人1000円、高校生まで500円
●仏教館に隣接する近代館では企画展「雨をたのしむ」を同時開催中です。